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■【グランドキャニオントレイル時間オーバーで遭難の危機】アメリカ横断ツアーの卒業旅行の思い出

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私がまだ学生だったころ(もう20年くらい前??)卒業旅行で友人とともにアメリカ横断ツアーに参加しました。

■ニューヨークからロスまでバンに乗っての30日間のツアーに出発

ヨーロッパやオーストラリアからの参加者と一緒にバンにのり、ガイド兼ツアーリーダ兼ドライバーのお兄ちゃんの運転で、ニューヨーク出発からロス到着まで30日間のツアーでした。ニューヨークから南下しフロリダ、アラバマやテキサスを通り、ツアーの後半に差し掛かった頃、私たちはグランドキャニオンに立ち寄りました。

ちなみにガイドはアメリカ人で、もちろん説明や指示はすべて英語。私も日本から一緒に参加した友人も大学の専攻は英語だったので、大体の説明はわかりました。なので、ガイドが私たちをグランドキャニオンのいわゆるトレイルの出発地点に下ろし、じゃ、また夕方ホテルで。

みたいなことを言ったときは何の疑問もなく、ああ、一日ゆったりハイキングするのねぇ、くらいに思ったんです。今思えば、もっとガイドブックやホテルにあるパンフ呼んで勉強してからグランドキャニオンハイクに挑みやがれ!このばか者め!と昔の自分を罵倒したいくらいです。

■グランドキャニオンのサウス・カイバブ・トレイルでは、ひたすら歩き続けることに

それくらい、なめちゃいけないグランドキャニオンのサウス・カイバブ・トレイル。なにせ普通の山登りとは真逆の行程なんです。行きはくだり、帰りは登り。距離も半端ないので、ひざが壊れます。いやいや、とっても景色は雄大できれいで、地層に歴史を感じることができるすばらしいトレイルなんですよ。だけどきつい、本当に。

歩いても歩いてもコロラド川は地の底に細ーく見えるだけで、一向に近づいた感じもしなかった。しかもトレイルの道は本当に幅が狭くて、ロバに乗って行くツアー客が通るたび、がけに張り付いて落ちやしないかひやひやものでした。

ロバの糞もたくさん落ちていて足元も気を遣うし(そのうち糞なんて気にもしなくなりましたが・・・落ちるより踏むほうがまし)。でもくだりはまだよかったです。歩き続けること4時間ほど、なんとか谷底のフォントムランチまでたどり着けました。

■いつまでたってもゴールが見えず遭難の危機?

でも日暮れまでにまたこの谷を上がるのよね?そこで初めて現実を理解しました。下りの倍近く登りのは時間がかかるってことを。思い出すのも嫌になるくらい、とにかくゆっくりしか歩けなかったです。

途中一緒のペースで歩くものすごく高齢に見えるおじいちゃんに、「おまえら日本人か?俺らに車売りつけるなら、アメリカのりんご買え!(当時は貿易摩擦だった?)」とかディスられて、腹も立ったけどその時にはもう疲れすぎて反論もできませんでした。

歩けども歩けども崖は目の前にそびえたっていて、ゴールも見えない。だんだん暗くなるし、ああ、私たちはきっとパークレンジャーのヘリで救助されるのかしら・・・と思いながらも亀ように歩き続けました。

■『一日でトレイルを往復すると死にいたることがある』とのパンフの文字に背筋が寒くなりました(笑)

でもやっぱり若かったんですね、当時は。日暮れまでには何とかトレイル終点に到着して、遭難しなくてよかった!と友人と慰めあいながら無事ホテルに帰りつき、その日は死んだように眠りました。

次の日ホテルをチェックアウトするときに、ロビーにおいてあったパンフに何気に目をやると・・・「普通のスニーカーでトレイルを歩くと滑落することがあるのでやめてください。一日でトレイルを往復すると死にいたることがありますのでやめてください。」・・・との注意書きが。

そう、まさに昨日の私たちのことです。ツアーリーダー、そんな大切なことちゃんと言わんかい!と日本語で悪態をつきながら、次の目的地に行くバンに乗り込みました。グランドキャニオントレイルは、かなりの時間を要するのでお気を付けを!死ななくてよかった。若くてよかった。いい思い出です。