■【ナポリではスリには気をつけて!】バスの車内でスリおじさんと遭遇!
『ナポリを見て死ね』と言われるほど風光明媚な景観を持つ南イタリア最大の都市ナポリに行った時の体験です。
■ナポリの美しい町並みと建築物に感動して無我夢中で観光しました!
4年前、26歳で単身料理留学中だった私は後輩と男二人でナポリ近郊のリゾート島『カプリ島』を目指しました。
季節は穏やかな気候の春先、当時住んでいたフィレンツェからイタリア版新幹線のイタロでナポリ中央駅に向かいました。
実はこのナポリという街は観光都市という割に非常に治安が悪く、旅行前にはイタリア在住歴の長い人に「危険だから気をつけろ!」と散々脅されました。というはわけで、我々は戦々恐々しながらナポリの地に降り立ったわけです。
いざ着いてみると、遠方に見えるヴェスヴィオ火山、世界三大美港に数えられるナポリ港と近代的な街並みと伝統的な建築物を残す景色に感動してしまい、さっきまでの恐怖心なんてのは吹っ飛んでしまいました。
あちこち歓声を上げながら一眼レフカメラで写真を撮る姿は、端から見ればアジア人観光客そのものだったと思います。我々はカプリ島へのフェリーが出ている港付近まで行くためにバスに乗ることになったわけです。
フィレンツェでの生活でも乗り慣れていたバスですが、当然場所が違えば勝っても違う。多少のイタリア語が分かっていてもバスの路線図が分かりにく!とにかく分かりづらい!
日本と違ってバスがダイヤ通りに来るなんてことははとんど無いのでどの路線が来たのかも曖昧なんです。
携帯でバス会社のホームページを検索してなんとか港行きのバスに乗ることができました。一時は混乱状態だった私も無事バスに乗ってからは再び観光モードに。
■バスの車内でスリおじさんと後輩の攻防戦が繰り広げられました
ここからはのちに後輩に聞いた話ですが、私がぼけーと外の景色を物珍しそうに見ているとバスの揺れに合わせて不自然に体を寄せてくるおじさんがいたそうです。ここで後輩はピンときたようで間違いなくスリだと思いました。
そこから私と会話をしてる間も一時も目を離しませんでした。徐々に徐々に距離を詰めていくおじさん、さほど混んでいない車内で密着しようとしてくるおじさんに気づかない私は完全に平和ボケしてしました。
そして私のパーカーのポケットを物色しようとしたところで後輩の視線に気づいたのか目が合いました。そこからは完全にメンチの切りだったそうです(笑
後輩は私を守ろうとしたのか必死にスリに対してプレッシャーをかけたのです。文句を言ってやりたいがそのイタリア語がわからない。そんな後輩はひたすら視線で相手に何してんだと言ったのでしょう、やがておじさんは諦めたのか次の停留所で降りて行きました。
おじさんが去った後、私は後輩に説教されたのは言うまでもありません。何も盗まれることもなくその後の旅行を楽しめたのは後輩のおかげです。本当に感謝です。